FX業者について考える:その4(未カバー率の解釈)

相場ポエム
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はじめに

前回書いた記事「FX業者について考える:その3(異なる収益源と対顧客関係)」の続きなので、前回分をお読みでない方は先にそちらに目を通して頂きたい。

悪いサボり癖が出てしまって前回の記事から間が空いてしまったが、Twitter上では「未カバー率が低い業者が良いのか」とか「未カバー率を計測していない時間では全て呑んでいる可能性がある」など様々な反応があったので幾つか簡単に補足しておきたい。

未カバー率の解釈

値だけでなく計測方法も開示している業者があるので実際に見れば分かることだが、未カバー率は特定の営業日における特定の時間の値を算出したものであり、1ヶ月間全体の平均値や中央値を示しているわけではない。

そのため業者が「良い数字を見せよう」と思えば、普段より多めにカバーに回すなどして多少見栄えの良い数字にすることも出来るだろう。そのため、この数字はあくまで参考程度にしかならない。

だからといって「未カバー率は全然信用出来ない」とか「計測時点以外では全部呑んでいるかもしれない」となるのも極端な解釈だ。

前回の記事ではあまりに長くなるのを避けるために省略したが、下図を見れば分かるように、実際に東京外国為替市場においてFX会社が流した注文が取引されている。2021年4月度ではスポット取引の内77.7%を占めていることが分かる。

金先協会の資料「店頭外国為替証拠金取引の実態調査結果について」から抜粋

また、国内FX業者全体の統計として、内部処理(マリーされたもの = 客同士の売買注文を突き合わせたもの)されたものと、外部処理(カバーに回されたもの)の比率も公開されており、例年注文全体の4割前後がカバー処理されていることがわかる。

同上

この資料 「店頭外国為替証拠金取引の実態調査結果について」は金先協会のウェブサイトにあるので、興味のある方は確認してほしい。本記事執筆時点では2021年10月29日公開分が最新である。

余談だが、そもそも未カバー率の開示が義務化されたのは「この業者は勝ってる客の口座を凍結するかどうか」の判断基準を示すためではない。あくまで相場の急変などで業者が大損失を出したり倒産するリスクなどを公開するのが狙いである。

私が未カバー率を引き合いに出したのは「FXで継続的に勝つのは構造的に不可能」という説に対して、誰でも見られる資料を使って論理的に反論しようとしているからである。繰り返しになるが、少なくとも国内業者に限って言えばそれは間違っているということを改めて指摘したい。

未カバー率だけで業者を選ぶべきではない

Twitterには「未カバー率が低い業者を選べば良いのか」という反応もあった。ただ、実際にはスプレッドの大小や、約定の質(遅延・スリッページなど)、売買ツールの使いやすさ、顧客サポートの質など、様々な点を総合的に考慮すべきだと個人的には思う。前段で述べたように未カバー率はあくまで参考程度の数値でしかない。

敢えて未カバー率に絡めて話をするとしたら、こういう情報がアクセスしづらい場所に置いてある業者は個人的に余り信用出来ない。システム障害の情報などが分かりづらい場所にある会社は「色々と隠したがる企業体質なんだな」と思ってしまう。これはあくまで筆者個人の感想だが。

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